1.生前贈与で相続税と所得税の対策をする

相続対策で不動産を購入される方が多くなっていますが、問題になるのは、その方の収入が増えて所得税も高くなってしまう点です。収入が増えた割には資産が残らないケースが少なくありません。相続税を払うのは、ご本人ではなく、相続人であるお子さんたちの側ですが、払う側に財産が残らないこととなります。
相続税がかかる方に、さらに相続財産が増える傾向がどうしても相続対策にはあります。
2015年に相続税法が改正され、相続税は増税に向きましたが贈与税は減税傾向となりました。その理由は、親御さん世代に潤沢な財産があっても消費しないために、景気が上向かないので生前贈与を勧めようという政策にあります。
この贈与税減税をうまく活用すべきと考えています。

2.不動産を利用して贈与する



例えば現金を都市部の不動産にかえた場合、1,000万円で買った物件を200万円程度の贈与税評価額で贈与できたとします。
200万円から110万の基礎控除を引くと、ほとんど贈与税がかからずに済みます。 実際の贈与税の負担は9万円となります。


■ 贈与された物件だけでなく、その後の家賃収入も子供の財産。相続税はかからない。
■ 贈与後、3年以上経過すれば、贈与された財産(不動産小口化商品)には、相続財産への加算はない。相続人ではない、孫やお嫁さんであれば、3年以内の相続財産への加算がないので有利。
■ 贈与財産は、相続税の納税資金に全額の利用が可能

3.生前贈与のメリット

また、毎年1,000万円の物件を親御さんが購入し贈与すれば、10年間で1億円の財産がお子さんに承継できます。 贈与を最大活用し、計画的に行うと多額な財産が移転できるわけです。
このような計画的な贈与を不安視する意見もありますが、税法的な問題はありませんし、実務的にも今までトラブルになったこともありません。
繰り返しになりますが、毎年毎年贈与することは、税務署としては現在認められています。 早めに始めて計画的に行えば、相当な額が贈与できます。 また、相続人ではないお孫さんや息子さんのお嫁さんへの贈与は3年以内の相続財産への加算がないので有利ですから検討すべきです。このように生前贈与をうまく利用することによって、相続財産を早めに承継するべきですが、相続税対策は間際ではなく、時間をかけて実行された方が安全で良いとされています。これは注意点ですが、借金付きの不動産は相続税(贈与税)評価額では贈与できません。あくまでも自己資金で買ったものだけです。

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