不動産経営にあたっての共通の悩みとして建築から通常10年~15年の期間毎に多額の大規模修繕(外壁塗装工事や屋上防水工事等)をする必要がありその資金をどのように捻出するかという相談が多くあります。
そこで方法のひとつとして経営セーフティー共済を利用して早期からの大規模修繕資金を積み立てていくことによるメリットを紹介したいと思います。

(1)経営セーフティー共済の制度について

制度趣旨としては加入事業者に対して得意先の倒産が発生し売掛債権等の回収不能の状態が生じた場合にそれまでに支払をした掛金の10倍まで担保無し及び保証人無しで借入を行うことができ、その加入事業者の連鎖倒産に陥るという事態を防ぐためのものになります。
その支払う掛金は全額損金となり場合により法人の決算月に加入してまとめて年払いして損金に落とすことも可能です。
詳細については中小機構のホームページをご覧頂ければと思います。

(2)不動産管理会社としての修繕積立について

1.この制度が不動産オーナーについてどのようなメリットがあるかの話になりますが、単純に不動産管理会社の損金になるということだけでなく一番のメリットとして掛金を40カ月以上支払していれば、解約した時の返戻率が100%になるため、事前に節税しながら外部に資金の積立を行えるということになります。なお、外部積立していく方法として生命保険を利用することも知られているものの単純返戻率が100%になる商品はありません。
2.経営セーフティー共済が有効なケースとしては不動産管理会社が所有している物件について大規模修繕があるタイミングで解約してその返戻金を原資として使うことが考えられます。解約返戻金については全額が雑収入として計上はされるものの、大規模修繕と言われる外壁塗装工事や屋上防水工事については即時の損金として計上できるため、結果的には法人税等がかからないケースが多いかと思われます。また一度解約したとしても再度契約は可能ですので複数物件を所有していて建築時期にズレのある不動産オーナーにとっても比較的使い勝手のよい制度になります。
3.ただし、経営セーフティー共済については掛金支払の上限があり月額は20万円で年払では240万円となっていることと掛金累計800万円支払うとそれが上限となりとなりそれ以上は支払いができないということになっています。

(3)経営セーフティー共済の注意点

あくまで法人での加入前提での説明で個人の不動産所得の計算上では経営セーフティー共済の掛金を損金に計上できないことになっています。そのため不動産管理会社を利用して法人としての加入という前提になるのでその点については注意が必要です。

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